白・黒

大王 (Cue comics)

大王 (Cue comics)

黒田硫黄作品はどこまでもその独特な世界に引き込んでくれる。漫画のベースはもちろん白黒。でも、こんなに白黒のみの世界が似合う漫画もないのではないか…。白・グレー・黒の間で織りなす絵とストーリー。墨で描いているのですが、その話自体から墨の匂いが漂ってくる雰囲気。
大王は、1993年から1999年に発表された11の短編を収録した黒田硫黄の第1短編集。デビュー作「蚊」、カラー作品「西遊記を読む」、漫研時代の作品「熊」「南天」、同タイトルの手塚治虫作品のカバー「メトロポリス」、よしもとよしともと原作による「あさがお」など、初期のさまざまな試みを堪能できる。そのほか描き下ろし作品「まるいもの」、あとがき、雑誌「ユリイカ」に掲載されたエッセイ「西遊記とわたし。」も収録されている。

メトロポリスは手塚作品を黒田解釈で描く。でたらめに刺激的な展開がたまりません。
あさがおはとても好きな作品。

黒田硫黄は自分のことを職人と言っていた。漫画家は、書きたいものを書きつくしたところからが勝負だと…。かっこいい。